【中東諸国】2016年に入札される太陽光発電は2,000MW超

中東太陽光産業組合(MESIA)の「2016年の中東の太陽光発電の展望」レポートによると、中東地域は2016年に2,020MWもの太陽光エネルギープロジェクトを入札する予定である。原油安とガソリン価格安により、中東地域の太陽光エネルギー市場は失速するどころかむしろ波に乗るため、2016年は均等化された太陽光発電の原価が次第に下がるのが特徴であると、レポートは結論付けている。

 

レポートでは、太陽光は助成金支給がない状況でコスト競争力があることに注目し、正味エネルギー輸出国家での炭化水素の低価格の経済的影響、エネルギー市場改革と助成金調整、電気料金の上昇、脱塩と冷却への需要増加がエネルギー変遷の重要な要素であると指摘している。

 

中東の電力需要は6%と8%間と年平均成長率で成長し続けているが、2014年の夏と2015年の同時期を比べると、一部の湾岸地域協力機構(GCC)の電力は12%超の最大負荷需要の増加に直面している。2016年には中東地域の全電力量の需要は900テラワット時を超える見込みである。エネルギーへのこの強い渇望を満足させるために、中東は大規模太陽光プロジェクトを導入するという観点で新しいベンチマークを設定している。

 

中東と北アフリカ地域(MENA)の太陽光プロジェクト投資は、2010年の約1億600万ドルから2015年のの35億ドルに成長し、投資規模はさらにいっそう増加が見込まれる。プロジェクト規模、EPCの規模の経済、最適な融資期間の間の理想的なバランスをとる必要性から駆られた、大規模エネルギープロジェクトへ重点を置きこの地域の設備は数十メガワット単位だけではなく現在は数百の単位でますます太陽光プロジェクトを採用している。

2014年にエジプトでは稼働中の約20MWの集光型太陽熱発電(CSP)とほんのわずかの太陽光発電の導入があっただけであったが、現在では2016年に約1GWの太陽光発電の建設を開始し、2020年までに2,650MWの太陽光発電容量を稼働中にする目標を立てている。モロッコは2019年までに約500MWのCSPと600MWの太陽光発電を稼働予定の一方、ヨルダンは2016年に開通する建設中の220MWの太陽光発電プロジェクトがあり、300MWの太陽光発電の設計、調達と建設(EPC)、独立系発電事業(IPP)モデルを受注する計画がある。

 

MENAの先導する太陽光市場のポイント

アラブ首長国連邦(UAE):過去数年に渡って重要な太陽光マーケットとして確立しており、2016年もとりわけドバイ、アブダビで引き続きリーダーシップを発揮する。現在、ドバイはクリーンエネルギー資源を用いて、2020年までに電力の7%、2030年までに25%、2050年までに75%を供給予定である。ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥームの太陽光プロジェクトの第2段階の為に、キロワット時あたりわずか5.85セントの電力購入契約(PPA)が2015年に締結された後、2016年には第3段階として、2020年までに三段階の供給で800MWを受注予定である。2030年のプロジェクトの最終規模も2015年に5GWまで増加した。12月にアブダビ水道電気当局(ADWEA)は最初の大規模な太陽光発電プロジェクト計画となる2016年に入札予定の350MWの太陽光プロジェクトを発表した。

 

サウジアラビア:サウジの太陽光プログラムの取り組みの遅れはこの国の経済全体に悪い影響を与えている。最近のエネルギーと関税の改正が2016年の商業と工業の太陽光利用を促進させる見込みである。

パキスタン: 2015年の夏にパンジャブの1GWのカーイデ・アザム太陽光パークの最初の100MWが完成して、この国の大規模太陽光発電の発展が進んでいる。この計画の300MWを導入する第2段階の建設が現在進行中である。太陽光パーク以外のプロジェクトに対しても追加の400MWを意図する書面が公表された。2015年9月に国家電力規制当局(NEPRA)が居住施設と商業施設の太陽光発電システムに対する正味計量規制を発表した。

 

モロッコ:2020年までにモロッコは再生可能な発電容量を2013年の31%から42%へ増加させる予定である。太陽エネルギーのためのモロッコ局(Masen)は、モロッコの太陽光計画を発展、遂行させており、2020年までにCSPと太陽光発電システムで最低でも2GWの容量を目標としている。Masenは現在、ワルザザートにCSPと太陽光発電システムの両方を持つ太陽光発電の複合施設を設立している。そのプロジェクトの最初の2段階ではそれぞれ倉庫を含めて、合計500MWの3つのCSPプロジェクトを結び付ける。一つ目のNOOR1は160MWの放物面トラフ型システムで2015年の第4四半期に完成した。残りの2つ、200MWの放物面トラフ型システムのNOOR2と150MWの中央発電タワーのNOOR3の建設は、2015年に始まり、それぞれ2016年、2017年に完成予定である。モロッコの国家公益事業のONEEは全容量が400MWを目標とする独自の太陽光発電プログラムである。

 

エジプト:エジプトは2020年までに再生可能エネルギー容量の割合を20%に引き上げる計画がある。2014年にエジプトは自国の太陽光と風力資源を活用する為に、再生可能エネルギーのFiTプログラム(固定価格買い取り制度)を発表した。2017年までに2.3GWの太陽光発電容量を目標としており、そのうちの2GWは太陽光発電プロジェクトに集中化し、300MWは500kW以下の太陽光発電の導入に分散化される。国際金融公社(IFC)、欧州復興開発銀行(EBRD)、海外民間投資公社(OPC)のような多国間金融機関もこれらのプロジェクトへの投資を加速させている。太陽光発電プロジェクトの1.5GW近くは2016年に建設開始予定で、50~100MWのCSPへの入札が2016年に見込まれている。

 

クウェート:クウェートは2030年までに再生可能エネルギーを使い、4.5GWの電力量に相当する最大負荷の15%を補う目標を立てている。この電力の大半は太陽光エネルギーから来ることを見込んでいる。現在、クウェート最大の再生可能プロジェクトは、全電力容量が2GWを予定するシャガヤ再生可能エネルギーパークである。そのプロジェクトでは、区画が太陽光発電エネルギー、CSP、風力発電に充てられて進行している。風力10MW、太陽光発電10MW、CSP50MWを合わせた70MWを利用した第一段階が2013年に入札された後、その計画は2015年に受注され、現在建設中である。

 

ヨルダン:ヨルダンは、太陽光発電システムを600MWに到達させる目標を含め、再生可能エネルギーの割合を2020年までに10%に増加させることを検討している。ヨルダンで2回目の200MWの太陽光発電の入札において、国家電気事業(NEPCO)は2015年5月に4つの獲得事業社を発表した。太陽光発電入札を獲得した4社のうち3社はそれぞれ50MWを供給し、キロワット時約0.06ドルの電力価格を提示した。固定価格と電力の託送がヨルダンの細かく分散された太陽光発電システムの拡大に非常に有効となっている。

 

アルジェリア:合計で約320MWで受注されたEPC契約において、重要な進展が達成された。国中にまたがる20以上の異なる場所での取り組みはそれぞれさまざまな段階にあり、総括的には300MW以上が2016年内に運転可能となる見込みである。合計で、アルジェリアは2030年までに13GWの太陽光発電が目標である。

 

イラン:現在の太陽光発電の導入は国家全体で100MW以下である。2014年にエネルギー省は国家の新しい目標は、2018年までに5,000MWの新しい太陽光エネルギーと風力エネルギー容量を追加することであると発表した。イラン、インド、韓国企業による企業連合体は、1GWの太陽光発電容量から成る100億ドルプロジェクトのエネルギーパークをフーゼスターン州に設立する予定である。また、イランのエネルギー省は最近、2016年に建設開始見込みでイランの複数の州にまたがる1,250MWの太陽光発電プロジェクトを行う契約を締結した。